現地内見時のチェックポイント

事業用不動産は住居用不動産と基本的な流れは一緒です。開業したいエリア、家賃など条件をもとに候補を探します。

その候補の中で気になる物件があれば、物件の内見を行います。

ここではその際にチェックした方がよいポイントを紹介します。

1.駅までの時間や人の動線を確認する

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よくある不動産の広告では駅から徒歩何分という表記を見かけますが、これは80mを1分として駅までの所要時間を表示しています。

(ただしこの表記では、坂道等は考慮していませんし、人により歩く速さは違います。お店を開業するならば実際に歩いて環境や人の動線もみることをおすすめします。)

そういった基本的なことを踏まえて駅からの距離も大事ですが、

飲食店や物販店などはお客さんを呼び込むためには人の動線を確認することが特に大事です。

2.周辺環境は歩いてチェック

周辺環境

前項でも触れていますが物件を下見する際、物件の周辺をできるだけ歩いて、自分の目で環境をチェックしましょう。

駅近く(例えば駅徒歩2分)だとしても、路地に入っていてわかりにくかったり、動線から外れている場合には開店後に苦戦する可能性もあります。

あるいは出店を考えている場所で、すでに近傍で競合する業種が出ている可能性もありますし、相乗効果を見込める業種があるかもしれません(クリニックと調剤薬局など)。

また児童福祉関係の業種の場合は法令の縛りなどで開業できないこともあります。

例えば表通りは健全な商店街のような場所にある良い物件だと思っても、現地を見てみたら1本路地を入ると風俗系のエリアだったということもあり得ますので注意が必要です。

 

出店エリアの特徴をエリア全般の特徴ととらえずに、まずは物件周辺をよく見ることをおすすめします。

 

3.物件の内装設備

内装

エリアも問題無いことが分かれば、次に重視するのは物件自体の内装・設備状況です。

 

お店の開業にあたり物件の状態確認でよく聞かれるのが、「スケルトン」と「居抜き」という言葉です。

「スケルトン」は簡単に言うと壁や天井にボードが無く、床も貼っていない、水回り設備なども含め何もない状態です。実際には配管や配線のほか前借主の設備などが少し残っていることもありますが、基本は一から手を入れないとお店として使えない状態になります。注意点としては初期投資の金額が大きくなりますが、内装や設備など好きなようにデザインをすることができます。

「居抜き」は前業種の内装がそのままか、一部残っているような状態です。

多くの場合は契約後そのまま開業ができるような内装になっているので、すぐに開業や内装にお金を掛けたくない場合にはおすすめです。

注意点としてはすでに内装設備が配管含め作ってあるので、あとから手を入れようとすると大変です。

また内装をそのまま引き継ぎにあたり、場合により造作譲渡費を請求されることがありますし、修理など手直しが必要なときもありますので、居抜きだから内装工事関係でお金がまったく掛からないものだと安易に思わないことが大事です。

 

ここまでは主に飲食店や物販店といったお店の話ですが、次は事務所をお探しの方向けのお話です。

事務所(オフィスワーク系、営業所あるいは保険代理店や塾)としての使用の場合は、

「事務所仕様」と呼ばれる状態で探すことになります。

この事務所仕様の意味としては、天井・壁や床がクロスやタイルカーペットが貼ってあり、水回り設備(キッチン、トイレ)、天井照明など事務所として必要なものが一通り揃っているものを指します。

もしこれ以外に何か必要な設備や条件があれば、それを不動産会社に伝えると良いでしょう。

4.そのほかの建物使用上の確認など

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業種によっては従業員や来客が自転車、自動車などを使う場合もあるかと思います(飲食店、訪問介護など)。

この場合は事前にあるいは物件現地で敷地内や周辺や駐輪場があるか確認しておきましょう。

オーナー様によっては借りたい物件では駐輪などができないが、近くに別の物件を持っていて、そちらに置くことを承諾してもらえる時もありますし、駐車場を1区画借りて駐輪スペースにすることを相談できるときがあります。いずれにせよ駐輪・駐車が必須の時はまずは不動産会社を通してオーナー様にいろいろと聞いてみるのも1つの手段です。

 

デイサービスなどは送迎にあたって建物前に駐車することも多いので、こういった業種による特徴的な点(他人に影響を与える可能性があるものなど)については事前にオーナー様に相談と承諾を得るとトラブル回避とともに円滑なスタートが切れます。